更新ボタンを押した後、結果を見て俺の指が止まった。 ハピマテのいままでそわそわしていた動きも止まる。 ――3位 これが結果だった。 「・・・・・」 「・・・・・」 俺もハピマテも声を出すこともできない。 3〜4分してからハピマテがやっと口を開いた。 「あんな…

翌日の土曜日。 俺はあいつからのメールの通り、10時5分前に財布を持って学校へ行った。 俺が着くとあいつや、クラスの男子がもう集まっていた。 「ごめん、遅れた。で、なに?」 俺がきくと、男子の中の一人が深刻そうな顔をして、こう言った。 「これから…

「・・・・・」 メールを見終わってから、俺は言葉もなにもでてこなかった。 ――彼女以外に好きな人・・・・・? 俺の頭の中にあの娘の顔が浮かんだ。 ――いや、でも違う。 俺はその考えを即座に否定する。 あの娘と彼女に同時に告白された。 そこで俺は彼女の方を選んだ…

「でもさぁ・・・・・」 ホテルへの帰り道、ハピマテが話しかけてきた。 そして、その手は、俺の手を握っている。 「・・・・・付き合ってる人・・・・・いるんでしょ?」 「え?」 俺はハピマテの言葉に驚いた。 「え・・・・・い、いるけど・・・・・」 渋…

「ただいま・・・・・」 俺が家のドアを開けて中に入ると 「おかえりー!まってたよー!」 とハピマテが走ってきた。 「どうしたんだ?そんな嬉しそうにして・・・・・」 俺が聞くと、台所から母親が出てきた。 「それがね、きいてよ。今日商店街で福引きを…

金曜日。 俺は朝からそわそわしていた。 その理由は、彼女とのことにあった。 一応、付き合っているわけだからやっぱり、デートに誘わなくちゃいけないんだろうか・・・・・ 昨日の夜はずっとそれを考えていた。 ――でもいきなりそんなこと言ったら流石にひか…

――そして、テスト当日。 正直、俺は、2つの作業を一度にやるというのは苦手だった。 だから、今までは音楽を聴きながら勉強したことなどなかった。 だが、ハッピーマテリアルを流しながらだと、何故か勉強がはかどった。 俺の思い過ごしなんかじゃない。確…

――そして運命の日がやってきた。 『ハッピーマテリアル5月度ウィークリー発表日』。 オリコンのホームページが更新されるのは午後の7時ちょうどなので、まだ12時間ある。 結局俺は、あれから13枚、ハッピーマテリアルを買った。 本番の6月度のために、金…

時が流れるのは早いもので、ついに発売日3日前。 ハッピーマテリアルを1位にスレでの盛り上がりも最高潮に達していた。 学校の友人も、2〜3人買ってくれると言っていた。もちろん、あの娘も。 しかし、まだ俺はあいつと喧嘩したままだった。 学校で会う…

――5月某日。 俺がそれと出会ったのは、唐突だったんだ。 まさかこんな出会い方をするなんて思っても見なかったんだ。 まぁ、そんなことが起こる事も思っていなかったんだけれど・・・・・ 「おい、おい!きいてんのかよ!」 「え?なに?」 学校の給食の時…