俺と幸せの材料

俺と幸せの材料 もくじ (登場人物) 第一章 「出会い」 第二章 「発売」 第三章 「恋心」 第四章 「告白」 第五章 「デート」 第六章 「旅行」 第七章 「誤解」 第八章 「戦闘開始」 第九章 「突撃」 第十章 「発売そして団結」 第十一章「オーディション」…

「俺と幸せの材料」登場人物 ※ 物語に直接かかわる、所謂ネタバレな部分は[ ]内に反転で見られるように記載してあります。 一度物語りを全て読んだことがある方はCtrl+Aで全て反転し、まだ未読の方は[ ]内は見ないことをお勧めします。 主人公 (俺) 中学生…

ハピマテがいなくなってから1ヶ月。俺は気持ちをなんとか取り戻し、今まで通りのの学校生活を送っていた。 そこへやってきた、東京への「修学旅行」という大きな行事。 そして、「あの人」からの招待。 ―禁止されている聖地、秋葉原への秘密の脱走 ――夜中、…

「・・・・・どうしたんだよ」 最初は冗談なのだと思った。 しかし、話しかけてもハピマテはぴくともしない。 「お、おい・・・・・」 ハピマテの顔に手を触れて、俺の額から一筋の汗が流れた。 「す、凄い熱だ・・・・・」 俺はどうしていいかも分からなかったが、とりあえ…

「よーし、次の店だ」 あいつの一言で、俺達はその店を出た。 「あと何枚くらい買うの?」 「ん、とりあえず、あるだけ」 ハピマテの質問にそう答えながら、次の店に入った。 そこには、あの人がいた。 「お、よう」 「やぁ」 あの人がハピマテを全て買い占…

「さて、今日はいよいよ文化祭だ。クラスの出し物も去ることながら、今日はバンドがある。お前ら、やるぞ」 あいつの一言に、黙ったまま頷く俺達。 今日は文化祭。バンド発表会が行われる日だ。 練習はした。完璧だ。失敗することはない、と思う。 「じゃあ…

「・・・・・」 俺達は無言だった。 後ろから、俺達がCDを貸し借りする光景を見ていたのは国語の先生。 優しくて、生徒からも人気がある先生だった。 が、今回ばかりは駄目だろうと思った。 CDは本来学校に持ってきてはいけない。それは校則で決められている。 そ…

2位、という言葉に愕然とした。 俺のクラスや、学年の男子からは票を集められただろうし、アンコールに影響されて入れてくれた人もいるはずだから、ここで1位をとれるかもしれないと思っていたが、甘かった。 『花鳥風月』の奴らを見ると、にやにやと笑っ…

翌日、俺は一日だけの病院泊まりを終え、家に帰宅した。 母親は「ハピマテが家にいるから大丈夫」という理由で仕事にでかけてしまった。 ベッドで寝転がる俺。熱はまだ38度をオーバーしている。 「暇だ・・・・・」 俺はそうつぶやくと、本棚から本を取りだし読も…

次の土日はあいつの考えでバンドの練習は休み、となった。 今まではオーディションまでの短い時間のために、必死で練習してきたが、合唱祭まではまだ時間がある。 少しくらい休みをとっても問題ないだろう、ということだった。 俺もその考えには賛成だったし…

「お、おい、どうしたんだよ!」 俺は動揺した。 あいつが泣くところなんか、見たことがない。 「・・・・・・」 ずっと黙っているあいつの目から一筋の涙が流れる。 どうやら俺の目の錯覚ではないらしい。 「ま、まずどうしたのか言ってみろ、な?」 俺がそう言う…

更新ボタンを押した後、結果を見て俺の指が止まった。 ハピマテのいままでそわそわしていた動きも止まる。 ――3位 これが結果だった。 「・・・・・」 「・・・・・」 俺もハピマテも声を出すこともできない。 3〜4分してからハピマテがやっと口を開いた。 「あんな…

翌日の土曜日。 俺はあいつからのメールの通り、10時5分前に財布を持って学校へ行った。 俺が着くとあいつや、クラスの男子がもう集まっていた。 「ごめん、遅れた。で、なに?」 俺がきくと、男子の中の一人が深刻そうな顔をして、こう言った。 「これから…

「・・・・・」 メールを見終わってから、俺は言葉もなにもでてこなかった。 ――彼女以外に好きな人・・・・・? 俺の頭の中にあの娘の顔が浮かんだ。 ――いや、でも違う。 俺はその考えを即座に否定する。 あの娘と彼女に同時に告白された。 そこで俺は彼女の方を選んだ…

「でもさぁ・・・・・」 ホテルへの帰り道、ハピマテが話しかけてきた。 そして、その手は、俺の手を握っている。 「・・・・・付き合ってる人・・・・・いるんでしょ?」 「え?」 俺はハピマテの言葉に驚いた。 「え・・・・・い、いるけど・・・・・」 渋…

「ただいま・・・・・」 俺が家のドアを開けて中に入ると 「おかえりー!まってたよー!」 とハピマテが走ってきた。 「どうしたんだ?そんな嬉しそうにして・・・・・」 俺が聞くと、台所から母親が出てきた。 「それがね、きいてよ。今日商店街で福引きを…

金曜日。 俺は朝からそわそわしていた。 その理由は、彼女とのことにあった。 一応、付き合っているわけだからやっぱり、デートに誘わなくちゃいけないんだろうか・・・・・ 昨日の夜はずっとそれを考えていた。 ――でもいきなりそんなこと言ったら流石にひか…

――そして、テスト当日。 正直、俺は、2つの作業を一度にやるというのは苦手だった。 だから、今までは音楽を聴きながら勉強したことなどなかった。 だが、ハッピーマテリアルを流しながらだと、何故か勉強がはかどった。 俺の思い過ごしなんかじゃない。確…

――そして運命の日がやってきた。 『ハッピーマテリアル5月度ウィークリー発表日』。 オリコンのホームページが更新されるのは午後の7時ちょうどなので、まだ12時間ある。 結局俺は、あれから13枚、ハッピーマテリアルを買った。 本番の6月度のために、金…

時が流れるのは早いもので、ついに発売日3日前。 ハッピーマテリアルを1位にスレでの盛り上がりも最高潮に達していた。 学校の友人も、2〜3人買ってくれると言っていた。もちろん、あの娘も。 しかし、まだ俺はあいつと喧嘩したままだった。 学校で会う…

――5月某日。 俺がそれと出会ったのは、唐突だったんだ。 まさかこんな出会い方をするなんて思っても見なかったんだ。 まぁ、そんなことが起こる事も思っていなかったんだけれど・・・・・ 「おい、おい!きいてんのかよ!」 「え?なに?」 学校の給食の時…